「姉ちゃん、明日彼女の家に行くんだ…」
「あんた、パンツは新品穿いて行きな」ってアドバイス。
最近ようやく、そこは重要じゃないだろと気付いた、
よしたろ(25歳 今さら)です。
この前ね、6時の
ニュースでみたもんね。
男のおっさんが女の
下着を付ける話。
えー!ってなるよね。ウソー!ってなっちゃうよね。
これ、マジだから。この目(裸眼0.02)で確認したから!
しかもね、そのおっさん一人や二人じゃないわけ。
何ならサークル作って、
下着の品評会とか開いちゃってる勢い。
「あーっ田中さん、そのブラジャー素敵ですねー」
「そうですか?前田さんこそ花柄似合ってますよー」
とか、賞賛し合っちゃってる装(よそお)い。
あ、念のため言っとくとね、
ニューハーフとか新宿2丁目とか、そういう話じゃないよ?
普通に家庭を持ったおっさん達の話だからね。
何なら一流企業の管理職とかだからね。
もうね、『えー!』通り越して『え゛ー!』ですよ。
その驚き方たるや、
クララが立ったときの比じゃないわけですよ。
もうね、何が貴方をそこまで駆り立てるのか!と。
守るべきものは胸ではなく家庭じゃないのか!と。
(あ、これ結構上手いコト言いました)
そう思った後に、よしたろは色々と考えてみました。
世の中の森羅万象っつーか、まぁ要は
下着についてなんだけれども、
何故そんなことが平和な日本で起こりうるのかと。
まー、白熱した議論が繰り広げられましたよ。(脳内で)
やれ「
小泉の次は
安倍で決まりだ」とか、
やれ「年金改革はどうするのか」とか、
山積する社会的課題の討論が続く中、発せられた一言。
「男のブラジャーについてどうお考えですか…?」
もうね、よしたろと言う名の議会はパニックですよ。
郵政造反組どころの騒ぎじゃないですよ。
「き、き、君は何を言ってるんだね!(裏声)」
「これは大事なことなんです!!」
「何が大事なことだ!男がそんな事する訳ないじゃないか!」
「いえ、事実としてそういう趣味があるんです」
「馬鹿なっ!ブ、ブラジャーなんてものは本来女性のだね…」
「分かっています。しかし、そういう男もいるのです!」
「認めん!そんな証拠の無い話が信じられるものか!」
「証拠ならあります。ほら、ここにっ!」
「な、永田君っっ!?君はいつからそんな…」
「私だけじゃありません。他にも」
「議長、私もです」
「すみません、私もです」
「わ、私も…」
「実は、私も」
「私もです」
みたいな議論が繰り広げられてね、
どうやらあるらしいことが分かってきました。
下着の品評会。
でもね、そのお父さん方さー、
結構、窮屈だと思うんだよねー。(ブラだけに)
社会的地位を持ってる人とかは、
バレたら窓際族は必至だよ?
もうね、家に帰ってもおちおち休んでられないわけ。
取り敢えず、どこに保管しとくんだっつーの!
家族もね、おやじのタンスからブラが出てきたら、
そりゃあんた絶句ですよ。
娘もね「お父さんのブラと一緒に洗わないで!」とか、
さすがに言いづらいですよ。
だからね、何つーの…スリル?
ある意味それを楽しんでるのかと思ってました。
そしたらね、そのテレビ番組、
いつの間にか
ドキュメンタリーっぽくなってて、
主人公のおっさんがね、
あろうことかスタッフにこう切り出すわけ。
「息子にもこの姿を見てもらいたい」と。
…耳を疑いました。
何つーか取り敢えず、常識的な感覚で言うとね、
もうテレビとか出ちゃった時点で、オロオロしなきゃいけないわけ。
「あぁ、これで会社や家族にばれたらどうすれば…」とか思うのは、
もはやブラ付けた男たちの義務だと思うわけ。
納税の義務、勤労の義務、教育を受けさせる義務、
そしてブラを付けたら肩身狭く生きてく義務。
(以上、4大義務であります)
それなのにね、それを息子に見せたいだなんて、
もうどんだけアグレッシブなのかと。
日本のFW陣にもこれくらいのアグレッシブさが、
是非とも欲しいところなんだけれども、
取り敢えず、息子だけには見られたくないと思うのが、
親の務めでしょうがっ!
それでね、よしたろは息子の気持ちを考えてみたわけ。
親父のあらでもない姿を見せられた息子の気持ちを。
取り敢えずもうね、ぐうの音も出ませんでした。
だって想像してみてよ?自分の親父が女の
下着付けてるとこ。
いやーもう、いろんな意味で気の毒。気の毒。
したらね、いよいよ対面の時が訪れたわけ。
父親が息子をどっかのホテルに呼び出したんだけど、
最初はね、「最近どうだ?」とか、父親っぽいトークをしてたわけ。
何つーの?タイミング計ってる感じ?
『
あいのり』で告白する前によくあるシーン。
でね、いよいよ本題を切り出すわけ。
「父さん、実はな…」
「ん、何?」
「お前に言っておきたいことがあるんだ」
「え、だから何なの??」
「うん実はな、父さん、
下着を付けてるんだ」
「…別に普通じゃない?」
「いや、普通じゃないんだ」
「???」
「女物の下着なんだ…」
「えっ(汗)??!」
「驚いた?」
「え、そりゃ驚くよ…」
「どう思う??」
「どう思うって言われても…」
「正直な気持ちを聞かせてくれ」
「まぁ父さんの好きなようにすればいいと思うよ」
「そうか、ありがとう」
みたいな!もうね、在り得ない会話が展開されてるわけ。
でね、この会話も当然在り得ないんだけれども、
それ以上にどうかと思ったのが、番組の演出。
何つーか、この会話の途中からね、
ちょっとした音楽が流れてくるわけですよ。
ドキュメンタリーも佳境に差し掛かり、
いわば感動のシーンなわけですよ。
性癖を告白する父親とそれを受け入れる息子―――。
分かり合えた二人を祝福するかのような柔らかなメロディ。
…ちっとも泣けねぇ。
感動の要素一つもねぇ。
そしたら最後におやじがコメントが。
――息子さんに告白した感想は?
「いや、本当に胸がスッキリしました」なんつって、
ちょっとしたプレイの様相を呈して来たところに、
――下着は見せたんですか?
「えぇ。今日は晴れの舞台だったので、一番のお気に入りを」
とか言って、満面の笑みを浮かべている父親の脇で、
引きつり笑をしている息子を、僕は見逃しませんでした。
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